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角(つの)は、さまざまな動物にある、頭部にあって堅く突き出た構造を指し、またそれに似た形状のものをいう。

概説
本来、生物学的には角(英語: horn、フランス語: corne、ドイツ語: Horn、ロシア語: рог (rog))は奇蹄目の一部や偶蹄目などの哺乳動物に見られる角質または骨質突起のことを指すが、一般的にはそれに似た円錐形その他の形状の突起を角と呼ぶ。普通は頭部に生じ、正中線上に生じるものは単独で、そうでないものは対を成して生じる。
角を持つものとしては、哺乳類と昆虫に例が多く、それ以外の動物にも散見される。
哺乳類の角の役割は、まず武器であると考えられる。頭部にあって上や前を向く角は、やや頭を下げたときに、視界方向に突き出す形をとるが、これもそのような用途に適する。天敵に対する武器として使われるとも考えられるほか、同種内で、集団での地位の確認や、メスや餌場の取り合いなどの場合に、雄同士の威嚇やけんかの武器として使われる。特によく発達した例では、性淘汰による可能性が指摘される。カブトムシ類の角もほぼ同様に使われる。
これに対して、それ以外の動物でははっきりした角がありながら、何の役に立つのか分からない場合も少なくない。一部はむしろ天敵が食べるときにそれを邪魔する役割があると考えられ、攻撃的な意味を見出しがたい。
なお、角とは認められない触角や触手が「角」と呼ばれる例もある。

脊椎動物の角
哺乳類
現生の哺乳類の角は骨が変化した器官であるものが多く、主に草食動物に見られる。雄で発達している例が多く、敵に対する武器として、また同種間の争いに使われる。特に反芻動物などが持つことが多く、ぶつけ合ってメスや餌場を取り合う。
角には、シカ科・ウシ科・プロングホーン科・キリン科(以上は偶蹄目)と奇蹄目サイ科の5種類の角がある。
シカやトナカイ、ヘラジカやシフゾウなどのシカ科の角は毎年生え替わる。通常、オスにのみ生える(トナカイはオスにもメスにも生える)。頭の上に毛皮をかぶったこぶとして発生し(袋角という)、伸び出して中に骨が作られると、毛皮が剥がれて角が姿を現わす。季節がすぎると、角は根元から外れて落ちる。角を合わせて戦うことは少なく、むしろ角の立派さで地位を決めている種が多い。これらの角は枝分かれしているものが多いが、高齢や栄養状態の良い個体程枝が多く立派なものを持つ。これらの角は、英語ではアントラー(対をなすことから通常はアントラーズ)と呼ばれる。
また、ウシ科の角は、頭蓋骨に角の形-角突起、あるいは角芯-があり、その骨の上に爪のように角の皮(角鞘)がかぶった状態で存在し、一生伸び続けるオスにもメスにも生える。鹿のように枝分かれすることはない。レイヨウの仲間の角は、実際の争いで角を使う種が多い。特に、砂漠や高山などに住む種が争いに角を使う。洞角ともいわれる。英語ではホーン。
プロングホーンの角は、頭蓋骨に角の形-角突起、あるいは角芯-があり、その骨の上に爪のように角の皮(角鞘)がかぶった状態で存在することはウシ科の角に似るが、枝分かれしている点と1年に1回生え変わる点ではシカ科の角の特徴も併せ持つ。オスにもメスにも角はあるが、通常メスの角は非常に小さい。プロングホーンの一種のみでプロングホーン科を形成している。日本国内では横浜市立金沢動物園でのみ、飼育されている。
キリンの角は5本(頭の上2本と目の間に1本、後頭部に2本)あり、加齢とともに大きくなる。オスにもメスにもある。頭頂部の2本の角はネッキングといわれる戦いの際に使用されるが、ほかの3本の角は、進化前の名残りではないかともいわれている。この角は頭骨の一部が隆起して出来た突起に皮膚が被ったものである。同じキリン科でもオカピの角は2本で、オスにしかない。キリン科の角は、英語ではオッシコーンと呼ばれている。
奇蹄目のサイ亜目の動物の角は鼻の頭にあり、1本のものと、縦に2本並ぶものがある。肉食動物に抵抗するときなどに使われ、骨質ではなく角質、毛が束になったものであり、「中実角」とも呼ばれる。そのため通常は化石として残る事は無いが、角の基部に当たる部分の骨の表面が粗面となっており、その存在を知ることができる。この角 - 「犀角」または「烏犀角」 - は漢方薬として珍重されたため、乱獲を招いた。[1] 英語ではホーン。
歯が変形して角の様な構造になっている例もあるが、これは角とは呼ばず、牙と呼ぶ。バビルサの牙は上顎犬歯が長く伸びて上唇を突き破り、湾曲して角に似た構造をとったものである。イッカクの牙は前方に長く突き出る。これはオスのみが持ち、上顎の左の切歯が変形したものである。繁殖期に使われ、立てて長さを競い、地位を決める。右の切歯は歯肉内に留まるが極まれにこれも伸びた二本牙の個体も存在する。

角研ぎ
シカの角は皮膚に包まれて発達し、内部で硬化し、最後に皮膚が破れて完成する。その際にシカは角を樹木の幹に当て、こするようにして皮膚を剥ぎ取り、また角の表面を磨く。これをシカの角研ぎという。カモシカの場合は皮膚がはがれたりはしないが、やはり先端を磨くことは大事であるらしく、同様に樹木にこすり付ける
こすり付けられた樹木は、当然樹皮がはがれ、普通は下から上に削り落としたような傷がつく。
また、サイも同様に角を研いで手入れしている。

民俗
日本人にとってもっとも近しい角は、牛とシカのそれであろう。西洋ではこれにヤギ・羊が加わる。架空の生き物(等)を想像する場合、既成の動物に角を付ける、という例は数多い。ヒトに付ける例では、鬼の角は牛のそれであり、悪魔のそれはヤギのものである。また馬に角を付けたのは一角獣になる。
角を持つものの戦いは、互いに角同士を押し当てての力比べの形をとることが多い。「角つき合わせる」という表現はこれによる。
俗に、腹を立てている女房を、亭主側からやや揶揄して、「角を生やしている」などという。
古くはシカの角を木の枝の一種とする伝承があって、近代まで信じられた。シカの角が骨の一種であるという主張は1817年、フランスのジョルジュ・キュビエによって提示された。
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